斎藤 敬子– Author –

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斎藤 敬子(さいとう けいこ)

埼玉県生まれ。2007年にオリジナルデザイン&ハンドメイドのアイヌ民芸品制作・販売を手がける「Kussharo Factory」を開設、布製品を担当する。伝統美を意識しつつ、自然界の中から得たインスピレーションをアイヌ文様で表現することを楽しみながら、手仕事に励む毎日。作り手としてだけでなく、屈斜路アイヌの精神や文化を情報発信(広報活動)することにも力を入れている。

北海道やアイヌ民族への興味は幼少期へ遡る。旅行会社を営む父親から北海道とアイヌ民族の話を聞いたことが初めのきっかけ(異なる民族がいることを初めて知る)。ある日の学校のテスト「日本は単一民族国家か複合民族国家か」の問いに、後者で答えた際、クラスで唯一間違いとされた悔しい記憶が刻まれる。「父親から聞いていたことは間違いなのか?」このことをきっかけに北海道とアイヌ民族への関心がさらに強くなる。

「いつか自分の稼ぎで北海道へ行くぞ!」そう決意しつつ、熱狂的ジャイアンツファンの少女時代を過ごし、その勢いでスポーツ記者を志望。なんとか新聞社にもぐりこんだものの、希望は大幅に逸れてサッカー関連の業務につくが、結果それも楽しく仕事に没頭。そして、休日となれば北海道に一人旅へ。仕事と北海道旅行の充実した日々を送る。

北海道という地へ導いてくれた父親が他界したのをきっかけに、自身の人生を見つめ直す中、移住を決意する。屈斜路湖畔で暮らし始めてから、勤め先の縁で、木彫り実演をする一人のアイヌと出会い、やがてパートナーとなる。彼の暮らしと彼の取り巻く環境に、幼少期の原体験が結びつく。その世界に魅せられ現在の活動に至る。